
Ashish_Choudhary (CC0), Pixabay
皆さま、ご無沙汰しておりました。
気づけば なんと、2カ月以上も更新しておりませんでした!
「原稿の〆切が立て込んでると、ブログが後回しになっちゃう病」を、そろそろいい加減、克服したほうがいいですね。
原稿制作のご依頼をあちこちからいただくのは、有り難いことですので、そちらを優先したいところです。
だがしかし!
「〆切が、ナンボのもんじゃーい!」
「納期? なにソレ?」
「そ納期、何の木、気になる木~♪」
……といわんばかりの、傍若無人なメンタルを持ってたら、人生ラクですよね~。
ま、そこまで強靱なメンタルは、各方面の皆さんに迷惑をかけちゃうメンタルでもあります。
そんで、「迷惑」って、何?
現在、わたくしは「大人の絵本」を制作しております。
すでにご存知の方は、ありがたい限りです。
10年以上前に、実際に国内で起きた、とある不幸な事件を題材にした絵本なのですが、この事件は、他の家族や親戚、友人などに「ピンチだから、ちょっと助けて!」と言えなかったがために起きた事件ではないかと。
そういう仮説を立てております。
私自身、もし仮に、絵本の主人公の彼と 同じようなギリギリの状況まで追い込まれたとき、「どうしてもお金が足りない! カードローンも限度額いっぱいになってしまった。助けて!」と、率直に身の上を打ち明け、正直に物事を頼めるかどうか、自信がないです。
もし、借りた金を返せなくなったら、迷惑がかかってしまう。
その後の付き合いまで考えてしまうと、下手なプライドがジャマして、身近な誰かを頼れず、悩みを抱え込んじゃう可能性は、無きにしもあらずやな……。
……と考えると、他人事とは思えないわけです。
裁判所の刑事法廷に入って、被告人として裁かれている人を見ると、「どーしよーもない人」は、かなりの割合にのぼるのですが、一方で「同情せざるをえない人物」もいます。
もし、その人とまったく同じ状況に追い込まれたとして、それでも法を犯さない、人の道を踏み外さないと断言できるかどうか。
そんなとき、「誰か、身近な人に助けを求めて、負担をかけてしまう(嫌われてしまう)迷惑」と「犯罪を犯して、税金を投入して司法に裁かれる迷惑」とを比べたら、どっちが深刻な迷惑なんでしょうか?
そりゃ、後者のほうが、より重大ですよ。
犯罪は、「迷惑」なんて言葉で片付けられる、生易しいもんじゃない。
家族も親戚も、友人知人も、もちろん被害者も、とんだトバッチリである。
だけど、犯罪行為は見方を変えれば、公共のルールを破った分、人間関係の濃密度でいって、「抽象的で、うっすらした迷惑」のような気もします。
刑罰を受ければ、いちおう償ったことになりますし。
しかし、将来を楽観視して、「なんとかなるさ」と頑張ったあげく、人生で追い詰められて、面と向かってダイレクトに助けを求めたとき、どうでしょう。
本人は「自業自得」「自己責任」で追い詰められた要素も少々ありそうです。
それでも、1親等、2親等の肉親なら助けるかもしれません。
だけど、叔父やいとこなら? 親戚なら?
親族とはいえ、普段はあまり接触のない人に対して、助けを求めるのは、虫のいい話で「迷惑行為」と感じさせ、遠慮する人もいるかもしれません。
ひょっとして、「迷惑」の定義が、数段階あるんじゃないか?
すでにお気づきの方も いらっしゃるでしょう。
わたくしの、「迷惑」に対する考えが、全然まとまっていないことを。
ご賢察です。
まとまってない話を、報酬を頂戴する原稿に書いたら怒られちゃいますが、でも、ブログだったら、論拠がボンヤリしたことだって、多少は書き殴っていいんじゃないかと。(←甘え?)
インドでは「人間は、お互いに迷惑を掛け合って生きているのだ」「だから、人付き合いを大切にしなさい」と教えるそうです。
日本人のメンタルだと、なかなか そこまで開き直れないかもしれません。
わたくしは先日、あることに気づいたのです。
「引っ越しのサカイ」の作業中のトラック、そのダッシュボードに、「ご迷惑をかけて申し訳ありません」という看板が乗っかっていることを。
この「ご迷惑」とは、いったい何なのでしょう?
でかいトラックを路上に駐めていて、歩行者さまの邪魔になるから「ご迷惑」なのかもしれません。
まぁ、大した迷惑じゃないですよね。それで申し訳ありませんと言われても、「過剰な謝罪」です。
歩行に支障がある方にとっては、トラックを避けて歩くのが多少の負担になりそうですね。
しかし、そういう方は、足元に注意を取られるあまり、頭より高い位置にある「申し訳ありません」の看板が見えていないかもしれません。
引っ越しのサカイは「嫌がられたり、揉めたりするぐらいなら、とりあえず、先手を取って謝っとけばいいや……」「謝らなくていいことを謝っていれば、なんとなく好感度が上がるかも」という思惑があるかもしれず、これも日本人っぽいウェッティな考え方で、すごく理解できちゃいます。
【迷惑】の辞書的な意味は、次の通りです。
■ある行為がもとで、他の人が不利益を受けたり、不快を感じたりすること
■他人のことで、煩わしくいやな目にあうこと
■どうしてよいのか、とまどうこと
ただ、ひとことに「迷惑」といっても、その言葉が使用されている立場や場面によって、フェザー級のふんわり迷惑から、スーパーヘビー級の迷惑千万まで、レベルの差が数段階あるような気がするのです。
かといって、全部で何段階の迷惑に分類できるかは、全然わかりません!
今後、改めて気づいたことがあれば、また「迷惑」をテーマに書いてみようと思います。