the みねラル!

~ Web宇宙に漂う微小元素 ~

インタビュー取材では、質問事項を用意して行くべきではない説

time 2016/11/17

インタビュー取材では、質問事項を用意して行くべきではない説

 フリーライターをやっていく上で、おそらく避けられないのはインタビュー取材です。

 ライターを始めたての頃、インタビューにかなりの苦手意識を持っていました。

 人付き合いが得意なほうではないので、初対面の人から、どうやって話を引き出そうかと考えて、前もって「何を質問すべきか」ノートに書いていったんですね。

 しかし、インタビュー相手の中には、ノートにメモした質問事項をのぞき込んでくる人がいるんですよね。

 こうなっちゃうと興ざめですよね。お互いに。

 

 インタビュー取材には、大きく分けて2種類あります。

 その相手が持っている専門知識や意見を得るためのインタビューと、その相手自身を登場人物に据えたストーリーを構築するためのインタビューです。

 前者は単純です。欲しい情報について端的に質問すりゃいいのですが、後者のインタビューでは、基本的に質問事項を事前準備しないほうがうまくいくと感じています。

 

 いろいろと模索しているうちに、私自身がインタビューされる立場になることが徐々に増えてきました。

 それで、話を気持ちよく引き出してくれる人と、そうでない人に、真っ二つに分かれることに気づいたのです。

 その違いは何なんだろうと考えていくと……

 インタビュー取材は「法廷での尋問」みたいにやったほうがいいんじゃないかと仮説を立てたんです。

 その方針で進めていくと、急に得意になった気がして、むしろ最近は「インタビューどんとこい」状態になっております。

 

sponsored link

相手を全肯定する

 たまに、インタビュー相手と議論をしたり、「そうは思いません」と言っちゃったり、自分のほうが知識や経験が上回っているアピール(精神的マウンティング)をしちゃってるライターがいます。

 これは最悪、ド最悪です。

 これが許されるのは、インタビュー相手とあなたとの「対談記事」を載せてもらえるレベルにならなきゃいけません。まだまだ全然早いです。頑張ってください。

 
 『その記事では、誰が主役なんですか?』

 『読者は何を知りたいのですか?』

 この根本に立ち返っていただきたいのです。

 

 過去に、私にインタビューしてくださったライターの中に、拙著に付箋を大量に挟んで持ってきた方が5~6人いらっしゃいます。
 「読んでいて面白かったところや感動したところに、付箋を挟んできました」というリップサービスが、うれしいじゃないですか。

 たとえ、直前に電車の中とかでテキトーに挟んできたのが真実だとしても、その心意気が重要なのだと思います。

 

 幸いにも、ライターからインタビューされる立場になった経験が、ライターとしてインタビューする立場でも活かされているのです。

 

 今の私だったら、質問事項は用意しない代わりに、相手に関する事前情報を、ネットだけでなく、新聞記事や雑誌記事も調べ、図書館でコピーしたりプリントアウトしたりします。著書があれば買って持っていきます。

 相手に関連するアイテムを持参して、さりげなく取り出しましょう(さりげなくがポイント ^^;)。

 たいていの場合は、持っていっても現場じゃ使わないのですが(笑) 「今日はあなたに向き合いますよ」という、“相手ファースト”の姿勢を、相手関連アイテムで可視化させるのです。

 

相手に「フル乗っかり」でいく

 

 まずは、何でもいいので、相手を褒めてみてはいかがでしょうか。

 リアクションが薄くても気にする必要はありません。初対面から本心や感情を出して対応できる人のほうが、かえって大物ということも多いですしね。

 できれば、インタビューの前に雑談をしておいてもいいのですが、難しそうなら、インタビューをさっさと始めてもいいと思います。

 インタビュー場所が、相手の事務所・オフィスなどなら、事務所に置いてあるものや出入りするときに気になったことなどを取っかかりにして、質問を始めることもできます。

 それ以外の場所でも、名刺を取っかかりにして質問をすることもできます。

 そうでなくても、ザックリ「現在」「過去」「将来」について質問すると、その後の大まかな方向性も固まってくるはずです。

 あるいは、「今の仕事を始めたきっかけ」「仕事を始めて一番大変だったこと(嬉しかったこと)」を尋ねてみるのもいいでしょう。

 弁護士さんなどのエリート資格者相手だと、仕事の動機を聞かれてもリアクションが薄い場合があります。受験勉強が得意だから、経済的に余裕があったからその職業を選んだという人だと、動機を「建前」「綺麗事」「うそ」で説明したがる場合があるので、あんまり面白くないです。

 弁護士さん相手の場合は、本人ではなく「依頼人」や「弁護士会」にスポットを当てて尋ねてみるといいでしょう。うまく進めれば、愚痴や不満がボロボロ出てくると思います。

 その点、事業を興している社長さんは、「きっかけ」「経営で大変だったこと」について、語ることは山ほどあるので、盛り上がりやすいのです。

 

「○○とは何か」と「なぜ◇◇したのか」

 
 その職業に就いたきっかけもそうですが、行動にはほとんどの場合「理由」があります。

 どの年に何をやったのかを書き並べるのは、インタビュー記事ではなく、ただの「年表」です。年表を記事に変えるために、ライターからの「なぜですか?」という質問が有効となるのです。

 (「なぜですか?」と聞くのが詰問調で強すぎる場合は、「どうしてでしょうね?」と、質問を柔らか風にします。印象はともかく、聞きたいことは同じです 笑)

 

 質問で返ってきた答えを、そのままノートに書き写すだけなら、今の時代、AIでもできますが、人間のライターなら、もうちょっと根性を見せたいものです。

 インタビューの回答の中で、曖昧な言葉づかいをしている場合があります。

 たとえば、「いい社員」とか「お客様のために」などです。

 これは、本人すら曖昧さに気づいていないことが多いです。

 ここは「『いい社員』って、社長にとってどういう社員ですか?」とか「どうすれば、お客様のためになるんでしょうね」などと、回答の中にある言葉の定義を明確にさせたいところですね。

 もちろん、その回答の中に、まだ曖昧さが残っていれば、尋問みたいにならない程度に、質問を続けます。

 

 同じ方向性の質問が連続してしまい、嫌らしくなりそうなら、とりあえず簡単にメモしておいて、忘れた頃にもう一度質問してみるのもいいでしょう。そうして印象を和らげることもあります。

 

 「あなたにとって○○とは何か」「あなたはどうして◇◇したのか」

 この2つだけでも、1~2時間ぐらいのインタビューなら十分に座持ちするのではないでしょうか。

 

 予定通りに進む取材って、意外とクオリティが低くてつまらないものです。

 取材は生ものです。インタビュアーであるライターは、相手のコントロールするための手綱は握りますが、そのコントロールは、相手を操作することを意味しません。相手の隠れた魅力や潜在能力を最大限に引き出すことです。

 自分自身が予定していない質問が多くなり、相手も意識していなかった回答が多く出れば、おおむね成功です。

 もし、インタビューが「自分でも想像すらしていなかった方向性」に進んだなら、おめでとうございます。帰りの電車でガッツボーズしましょう!(私は恥ずかしいので しませんけど ^_^)

 

 ((参考リンク))
 インタビュー取材は、リアクションで9割決まる

 

sponsored link

いらっしゃいませ

長嶺 超輝

長嶺 超輝

「ナガミネ マサキ」 と読みます。たまに、「カンダ マサキ」と間違われます。 [詳細]

▼くだらないのに、ためになる。「18歳選挙権」時代に 親子で学べる 学園民主主義バトル小説!

▼東日本大震災の被害に付け込んだ 卑劣な犯罪の記録。「地震大国」に住む以上、目を背けるわけにいかない現実

▼ポルポトがぶっつぶしたカンボジア出版業界の復興に貢献したい……。はたして何カ年計画!?

▼本を出したい方は 注目のNPO法人。私も所属してます。出版が実現するまで 手数料は頂きません。



sponsored link