the みねラル!

~ Web宇宙に漂う微小元素 ~

タラオがいない!? 法廷で言い渡されたサブカル判決文

time 2016/11/01

タラオがいない!? 法廷で言い渡されたサブカル判決文

sponsored link

司法が正式に認定した「サザエさん」

 

昭和46(ワ)第151号  著作権 民事訴訟 
昭和51年05月26日 東京地方裁判所

「漫画『サザエさん』には、その主役としてサザエさん、その弟のカツオ、妹のワカメ、夫のマスオ、父の波平、母のお舟等が登場し、サザエさんは平凡なサラリーマンの妻として、家事、育児あるいは近所付合いなどにおいて明るい性格を展開するものとして描かれており、」

  一家を6人まで紹介しておきながら、タラちゃんのみを「等」の中に含ませている むごい認定に着目したいところ。この裁判官にとって、フグ田タラオは親の敵なのだろうか。

 

 

司法が正式に認定した「ポパイ」

 

昭和49(ワ)第393号  商標権 民事訴訟 
昭和51年02月24日 大阪地方裁判所

「漫画の人物ポパイは、【…略…】作の漫画『シンプルシアター』(大正八年、一九一九年刊行)の主人公として昭和四年(一九二九年)に登場し、その後漫画、テレビ、映画等を通じていつも安物のマドロスパイプを口にし、教養はないけれども、ほうれん草を食べてはスーパーマン的な強さを発揮して相手をやつつける片目の船乗りを表現しているものとして、国内はもちろん世界中の人々に親しまれることが認められる」

  「スーパーマン的な強さ」という形容が、時代を感じさせて微笑ましい。ヒーローを例えるのにヒーローを引用するという荒っぽさも魅力的である。

 

 

司法が正式に認定した「キューピー」

 

平成11(ネ)第6345号  著作権 民事訴訟 
平成13年05月30日 東京高等裁判所

「キューピーイラスト(本件イラスト著作物中のキューピーのイラスト)の形態は、(1)裸で立っている、(2)全身が三頭身である、(3)掌を広げている、(4)頭は丸い、(5)髪の毛は中央部が突出して額にまで細く流れている、(6)耳のそばにカールした髪がある、(7)顔は頬がふっくらと丸い、(8)目は丸くパッチリしている、(9)眉毛は小さく目との間隔が広い、(10)鼻は小さく丸い、(11)口はほほ笑んでいる、(12)背中に小さな双翼がある、(13)腹が膨れている、(15)性別は判別できない、(16)陽気に笑っているか茶目っ気のある表情をしている、という特徴を有するものと認められ」

  あるイラストがキューピー人形に類似していて、その著作権を侵害しているのではないかと、キューピーの特徴をひとつひとつ列挙しているのだが、「そう見られていたのか……」と、彼は人知れず落ち込んでいるに違いない。いや、「性別が判別できない」ので、“彼”とは限らない。

 

 

司法が正式に認定した「仮面ライダー」

 

昭和49(ワ)第2092号  不正競争 民事訴訟 
昭和51年04月28日 東京地方裁判所

「右主人公である『仮面ライダー』及び『仮面ライダーV3』は、いずれも改造人間であるとされ、平時は人間の姿でいるが、いつたん有事の場合には、上半身が特にある種の昆虫を連想させるような姿に変身し、超人的能力を発揮しつつ縦横無尽に活躍するものとして描かれていた」

  「ある種の昆虫」との認定で、詳細をぼかすところが憎い。仮面ライダーも、ショッカーのアジトから脱出できずに完全に改造されていたら、「恐怖! バッタ男」として 我々の前に出現していたに違いない。

 

 

司法が正式に認定した「パックマン」

 

昭和56(ワ)第8371号  著作権 民事訴訟 
昭和59年09月28日 東京地方裁判所

「『パツクマン』にはパツクマンと四匹のモンスターが登場し、このうちパツクマンは円形で一方向に口と目があり、口は進むのにあわせてパクパクと開閉し旺盛な食欲で次々にエサを食べていくこと、四匹のモンスターはそれぞれの進み方に規則性があり、ヒラヒラした裾と目があり、それぞれが別の彩色を施され、ユーモラスな印象を与える表情をしている」

  パックマンって目が付いてたっけ? と思うし、あの動きを「旺盛な食欲」と形容されてしまうと、「パックマンって、生物なのか? 何なんだ?」と、その存在に対して改めて謎が深まる。モンスターはそれぞれ動きに規則性があったとは気づかなかった。じっくり観察したことがなく、ただただ逃げ回った記憶しかない。

 

 

司法が正式に認定した「宇宙戦艦ヤマト」

 
平成16(ワ)第13725号 損害賠償等請求事件 著作権 民事訴訟 
平成18年12月27日 東京地方裁判所

「(1) 本件映画の内容について
本件映画1は,地球が,異星人からの攻撃により放射能に汚染され,地表の大部分は溶岩に覆われて地表に棲息する生物は絶滅したが,人類は,地下都市を築いて生き続けていたところ,地表の放射能が次第に地下を浸食してきたため,地下都市も,あと1年で放射能に汚染される状態となったという設定のもと,放射能汚染消去装置の部品と設計図を求めて,宇宙の遙か彼方のイスカンダル星まで往復するために,かつて海底に沈没していた戦艦大和を改造して建造された宇宙戦艦ヤマトが,イスカンダル星への往復の途中で,数々の戦闘を繰り返しながら,侵略者に立ち向かっていくという物語である。宇宙戦艦ヤマトは,戦闘の際,その最大の兵器である,艦首から発射される波動砲のほか,主砲,パルスレーザー砲等を使用する。
本件映画2も,設定は異なるものの,宇宙戦艦ヤマト及びその乗組員が,地球ないし人類を滅亡から救出するために,困難に立ち向かう物語となっている」

 

  おなじみの作品も、判決文という公文書の上で綴られると、また違った味わいを感じられますね。

 さぁ、皆さんも、裁判所に定義してほしい漫画やアニメ、ゲームがありましたら、誰かを相手取って訴えを提起してみてください。自己責任でお願いします!


 

sponsored link

いらっしゃいませ

長嶺 超輝

長嶺 超輝

「ナガミネ マサキ」 と読みます。たまに、「カンダ マサキ」と間違われます。 [詳細]

▼くだらないのに、ためになる。「18歳選挙権」時代に 親子で学べる 学園民主主義バトル小説!

▼東日本大震災の被害に付け込んだ 卑劣な犯罪の記録。「地震大国」に住む以上、目を背けるわけにいかない現実

▼ポルポトがぶっつぶしたカンボジア出版業界の復興に貢献したい……。はたして何カ年計画!?

▼本を出したい方は 注目のNPO法人。私も所属してます。出版が実現するまで 手数料は頂きません。



sponsored link