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【一票の格差】17万3千票で当選した人、55万8千票で落選した人

time 2016/10/21

【一票の格差】17万3千票で当選した人、55万8千票で落選した人

↓ 4コマ漫画の続きは、ラストに載せてます。

 

 18歳選挙権が初めて導入された この夏の参院選では、山梨で17万3千票あまりで見事に当選した候補もいれば、一方、新潟で55万8千票も取ったのに落選した人がいました。

 それが「一票の格差」の現実的な影響です。

 結果として、山梨では有権者が持つ票の影響力が大きくなったのです。

 新潟での「一票の重み」は、山梨の3分の1以下だったことになります。

 ただ、そうした重みの差は、投票用紙を手に持っただけでは感じ取れないので厄介なのです。

 

 候補者別得票数(選挙区) (総務省 PDF)

 最少得票当選者と、最多得票落選者を、さっき目視で探したので、もし間違えていたらご愛敬で!

 一昔前の参院選では、15万票で当選した候補&70万票以上取ったのに落選した候補がいたりしたので、ちょっとだけ格差は縮まったとはいえるのですが、まだまだ無視できない開きはありますね。

 

 全国の各選挙区ごとに、抽象的に「一票の重み」(有権者人口÷議席数)を計算したとき、数字の上で最も票の重みがあるのが「福井選挙区」で、最も軽いのが「埼玉選挙区」

 両者の間で、一票の重みの最大格差は「3.08倍」となっています。

 同じ参院選で、選挙区ごとにこれほど有権者の扱いが異なるのは、日本国憲法で許されるんですか? と、法的に問題になるのです。

 

◆日本国憲法 第14条
1 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

◆日本国憲法 第44条
1 両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によつて差別してはならない。

 

 

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2016参院選に関する「一票の格差」裁判

 

 選挙に関する裁判は、一審がいきなり高等裁判所で、二審(最終審)が最高裁判所となります。

 高等裁判所は、支部も併せれば14カ所ありまして、参院選が終わった翌日の7月11日、この問題に熱心な弁護士グループが全国一斉に提訴したのです。

 

既に判決が出ているところ

岡山《違憲状態》
金沢《違憲状態》
東京《合憲》
高松《合憲》
秋田《違憲状態》
広島《違憲状態》
宮崎《合憲》
大阪《違憲状態》
那覇《合憲》

 

もうすぐ判決が出るところ

10月26日 松江
10月31日 福岡
11月2日 札幌
11月7日 仙台
11月8日 名古屋

 

 「違憲状態」というのは、法の下の平等に反する状態にあるのは確かだけど、参院選を丸ごと無効にしたら、いろんな面で恐ろしい無駄が発生し、国家規模の壮大な二度手間になって大変なので、とりあえず「寸止め」にしておくという判断です。

 今後、2012年の衆院選みたいに「違憲&選挙即時無効」という衝撃判決は出ないのかもしれませんが(どうせ最高裁でひっくり返るし)、私が学生の頃は、合憲判決が当たり前だったので、隔世の感がございます。

 20世紀には、6.59倍の格差があって、ようやく「違憲状態」の判断が出たほどで、参院選で5倍程度の格差は事実上、許容範囲内とされていました。

 しかし、あまりにも長年にわたって、国会議員がこの問題を放ったらかしにするもんだから、そろそろ司法権としてのプライドが許さなくなってきたのでしょう。徐々に判断が厳しくなってきました。

 国会議員はみんな、現在の不公平な選挙区割りのおかげで当選した人たちが多いわけですから、できることなら選挙制度を変えたくないのが本音なわけです。

 変えるとすれば、政治家としての引退を決めたときでしょうか。

 

 ちなみに「一票の格差があることが、そんなに問題なのか?」「地方の票が重くて、都市の票が軽い、それでちょうどいいんじゃないか。普段は地方が損をしてるんだから」といった意見があるのも確かです。

 私もだいぶ前、とある編集者と居酒屋でこの話題になって、ちょっとしたケンカになったことがあります(笑)

 

 もちろん、一票の価値をキッチリ平等にしようとしたら、「お隣さんとは別々の選挙区」「旦那と奥さんで選挙区が違う」みたいなことが起きて、めちゃくちゃ面倒なことになります。

 そこまでする必要はないにしても、それでも、最大格差が2倍以上になっているのは、複数投票を事実上認めるようなもので、マズいんじゃないかと。

 

 また、一票の格差を解消するため、今年から、47都道府県をそのまま47選挙区とする縛りをやめて、「島根&鳥取」と「徳島&高知」を、それぞれひとつの「合区」にしました。

 選挙区が広くなりすぎて選挙運動に負担があるとの指摘もあります。

 確かに、大変そうですね~~。

 きっと、北海道選挙区の候補者は、おそろしく大変な選挙運動を強いられているんだろうなと、改めて気づきました。

 

 

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いらっしゃいませ

長嶺 超輝

長嶺 超輝

「ナガミネ マサキ」 と読みます。たまに、「カンダ マサキ」と間違われます。 [詳細]

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