おっさん世代に響く 甘ずっぱい判決文 – ときめきメモリアル事件

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 20年ぐらい前に大ヒットした人気恋愛シミュレーションゲーム「ときめきメモリアル」

 一度もやったことがなくても、「藤崎詩織」という名前をなぜか知っている……。

 それぐらいのブームが巻き起こりました。

 

 でも、ゲームはそこそこ難しいし、時間を掛けずに、さっさと良いシーンを観たい!という需要も高まったのでしょう。

 
 そこで、プレイヤーのパラメータを不当に『体調999・文系999・理系999・芸術999・運動999・雑学999・容姿999・根性999・ストレス0』という最高値にして(要は、文武両道で男気もある、ゲーム上だけのスーパーイケメンに仕立てて)、藤崎詩織をあっさり落とせるメモリーカードをこっそり販売したという不遜な輩が現れました。

 われわれがせっかく築き上げたゲームバランスを勝手に崩しやがって、けしからん!

 ……ということで、ときメモの開発元であるコナミが、業者を訴えたのです。

 

スポンサーリンク
[PR]

ときめきメモリアル事件 控訴審判決

平成9(ネ)第3587号  著作権 民事訴訟 

平成11年04月27日 大阪高等裁判所

「本件ゲームソフトの内容は、ゲームを行う者(以下「プレイヤー」という。)が架空の高校「きらめき高校」の高校生(以下「主人公」ともいう。)となって、設定された登場人物の中から憧れの女生徒とする人物を選択し、卒業式の当日、伝説の樹の下でこの女生徒から愛の告白を受けること(ハッピーエンディング)を目指して、高校三年間勉学や様々な出来事、行事等を通して、憧れの女生徒に相応しい能力を備えるための努力を積み重ねるという恋愛シミュレーションゲームである(争いがない)。  本件ゲームソフトは、プレイヤーが主人公として三年間の高校生活における行動により、卒業式の日に、好意を抱いた女生徒から愛の告白を受けるというハッピーエンディングに至るか、誰からも愛の告白を受けられずに三年間を終了するバッドエンディングとなるかの差異を生じ、また好意を抱いた女生徒から一度愛の告白を受けて本件ゲームのエンディングを迎えたとしても、再度最初からプレイをし、前回とは異なった手順(勉強、運動、イベント等への取組みの変更)を踏むことにより、全く異なったゲーム展開を楽しむことができ、前回とは異なった女生徒(藤崎詩織ら一一名、各人性格や容貌、趣味、男性に対する好み等が異なる設定)から愛の告白を受けることができ、また同一の女生徒に対して異なった手順により愛の告白を受けることも可能である」

 判決全文

 

 判決文は、まずお互いの言い分が書いてあって、その後に「当裁判所の判断」という展開になっています。

 上で引用したのは、「当裁判所」である大阪高等裁判所の判断となります。

 

 素晴らしいですね。

 これが司法の公文書なんですから。

 判決文に、「伝説の樹の下」だの、「ハッピーエンディング」だの「バッドエンディング」だのと書いてあります。

 このときめきメモリアル事件の裁判は、最終的にときメモの開発元であるコナミが高裁で逆転し、そのまま最高裁で確定したことで、ハッピーエンディングを迎えました。

 法的な強制力を伴う公文書に、「愛の告白」というキーワードが6回も繰り返してあるところにも、ときめきを感じます。

 

 

 

スポンサーリンク
[PR]

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローしませんか?

スポンサーリンク
[PR]