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【裁判】動画アプリでオートマチック架空請求 /借金苦の40代と、20代のIT起業家

time 2016/09/09

【裁判】動画アプリでオートマチック架空請求 /借金苦の40代と、20代のIT起業家

 

不正指令電磁的記録供用罪 ・ 詐欺罪

東京地方裁判所 816号法廷

<被告人>
小太りおじさん(田村(仮)45歳・岡山県出身・無職)
やせ形坊主(兵藤(仮)27歳・長崎県出身・会社経営)
 

 

 コンピュータウイルスってご存知ですか。

 コンピュータの動作をおかしくする不正なプログラムです。

 メールの添付ファイルに乗っかっていて、それを開くと「感染」するとか……。

 感染すると、勝手に友人知人などへ向けて、再びメールを介してばらまかれるとか……。

 伝統的には、そういうイメージですよね。

 本当に迷惑な存在なのですが、今まで、日本の法律ではなかなか取り締まることができずにいました。

 

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コンピュータウイルスは、2011年から本格規制

 たとえば、ウイルスを送り込んで誰かのパソコンなどの動きを変にさせることが、パソコンに対する器物損壊罪になるかといえば、けっこう微妙なところです。

 

 仕事で使われているパソコンにウイルスを送り込み、しかもそのせいで仕事が進まなくなって、ようやく偽計業務妨害罪(営業妨害)に問えるかどうか?といった感じで、とても窮屈でした。

 しかし、ウイルスを野放しにしたままでは今後、サーバーやネットワークで様々なシステムを構築していくことを前提とする高度情報化社会が成り立たなくなってしまいます。

 そこで、2011年7月から、コンピュータウイルスを作成・保管・提供しただけでも、犯罪として取締りができることになりました。

 刑法が改正されまして、いわゆるコンピュータウイルスを含む、コンピュータの持ち主の意思に反する動きをするようなプログラム(ソフト・アプリ)を「不正指令電磁的記録」と位置づけ、その作成・提供などの取締りを図ろうとしたのです。

 

 そして、2012年6月、日本で初めて、あるスマートフォンアプリが「不正指令電磁的記録」だとして、作成者や提供者が摘発されました。

 どういうアプリだったかというと……

 アダルト動画サイトの「動画再生アプリ」として提供されたものです。

 

 男性なら特にお分かりかと思いますが、今やインターネット上では、お金を払わなくても、かなりの分量で嫌らしい動画を観ることができるものです。

 なので、問題のスマホサイトでも、同じように無料で動画を観られるものと、多くの訪問者が思いこんでいました。

 でも、そのサイトでは、専用のアプリをダウンロードしなければ動画再生できない。

 そこで、多くの人はアプリダウンロードのボタンをタップします。

 

 しかし、その動画再生アプリは、「架空料金の自動請求アプリ」でもあったのです。

 アプリ画面には「未入金」と表示され、「警告:登録は完了していますが、貴方様につきまして、まだ会費の振込みが確認できていません。つきましては、会費9万9800円を、指定の口座へ振り込んでください」……だいたいこんな主旨のメッセージも飛び込んできます。

 無料で動画を観られると思っていた多くの人は、不意を突かれてびっくりするわけです。

 これだけなら、従来型の架空請求です。

 しかし、このアプリの場合、先ほどの警告メッセージをいくら消しても、5分おきにしつこく同じメッセージが表示されるところは、なかなかタチが悪い。

 いったんスマホの電源を切って、再起動したところで、この不正アプリも自動的に再起動されるので、警告メッセージがちっとも治まりません。

 ただ、同じような不正ソフトは、パソコン向けであれば以前から水面下で社会問題となっていました。

 

被害者の位置情報を自動的に検出して脅す

 ここから、スマホ不正アプリならではの、いやらしい追い詰め手法がなされます。

 本件のアダルト動画再生アプリ(架空請求アプリ)には、スマホの持ち主の電話番号やGPS位置情報を勝手に取得する機能が備わっているんです。

 9万9800円の請求メッセージと同時に、自分の居場所(住所)まで見せつけてくる場合があるので、一部の人は「もしかして、ごまかそうとしても逃げられないんじゃないか……?」という心境に陥ったようです。無理もありません。

 むふふな動画を無料で見ようとした後ろめたさも手伝って…… そりゃ、アダルト動画を観ること自体は悪いことじゃありませんが、「妻など、家族にばれたら恥ずかしい、気まずい」などの思いもあってか、9万9800円を振り込んでしまった男たちが続出しました。

 その不正アプリによる個人情報盗用状況から、警察が把握できたアプリダウンロード人数は、少なくとも9252人。そのうち211人が代金を振り込んだとみられます。

 騙された人の割合は、約2.3%。約43人に1人……。

 どれだけ精巧に容赦なく脅しをかけてくるアプリだとしても、ほとんどは騙されなかった現実。

 「払おうにも10万円なんて払えない」と、開き直った人も多いかもしれませんが。

 「騙された側だって自業自得」だと、切り捨ててもよさそうな感覚をおぼえるのも確かですが…… 一方で、200人以上が振り込んだのも事実。 わずか1カ月余りで2100万円を超える売上げを叩きだしたアダルトサイト運営者たち。

 法によって裁かれることになりました。

 

裁判傍聴記録

  2012年9月、東京地裁の法廷で裁かれたのは2名。

 45歳の体格のいい男、田村と、やせ型で坊主頭の27歳の男、兵藤(いずれも仮名)である。

 田村は、関西地方でパン職人からホテル経営に乗り出すという、IT業界とは全く無縁の人生を歩んできた。

 しかし、2011年に入ってから、ホテル経営の資金繰りが極めて悪化し(本人は、震災や台風の影響と述べている)、億単位にのぼる負債を抱えて、自己破産を申請するまでになった。

 そこへ、高校時代の同級生だった永沢(仮名)が声をかけてきた。永沢は東京に住んでいるが、「儲かる仕事がある。最低でも月に300万の利益にはなる」と誘ってきたのだった。

 

 田村は事情を妻に説明し、2011年秋に上京。永沢の紹介で兵藤と知り合った。

 兵藤は、インターネット広告を扱うベンチャー企業の若社長で、ITに関しては人一倍の知識や経験があった。

 高田馬場の喫茶店で、兵頭は、Androidスマートフォン向けのアダルト動画閲覧アプリに関するアイディアについて、二人に披露した。

 アプリをダウンロードさせるように仕向けて、電話番号やGPS位置情報を抜き取り、5分ごとにしつこく請求画面を表示する……。

 これらの企みは全て兵藤の案だった。

 その提案の一部始終を聞いた田村は、素朴な疑問を兵藤に投げかけた。

 「それって、ワンクリック詐欺やろう? あかんよ」

 それに応えて兵藤は、

 「違いますよ。ワンクリックじゃなくて、“4クリック”なんで大丈夫です

 と説明し、田村を安心させようとした。

 
 ※ スマートフォンにマウスは付いておらず、液晶画面を触るので、クリックじゃなくて「タップ」だが、そりゃあんまり本質的な問題ではない。

 

 問題の動画再生アプリをダウンロードしようとすると、まず、18歳以上かどうかの「年齢確認画面」が出てくる。

 そして「動画再生確認画面」、さらに「会員登録完了画面」というふうに、たえずユーザーに確認を促す。

 だから確かに、ワンクリックだけで「契約」が完了するわけではない。

 さらに各画面ごとに、全14条からなる「規約」をチェックすることも可能で、その規約の条文の中には、9万9800円の代金がかかると書いてある。

 途中でダウンロードをやめようと思えば、いつでもやめられる。 だから大丈夫なのだと、兵藤は説得した。

 しかし、まだ半信半疑な田村を見て、兵藤は田村を連れ、とある法律事務所へ向かった。

 その事務所の名称などは法廷で明らかにされなかったが、そこの弁護士は兵藤たちの相談に対して「電話番号を抜き取るのは、どう評価されるかわからない。だが、規約には有料だと書いてあるので、詐欺にはならない」と回答したらしい。

 しかし、有料サービスを提供するなら、わかりにくい規約だけでなく、利用者にハッキリと認識できる位置で料金の説明を行わなければならず、登録を間違えたときには訂正して戻れる画面も用意しなければならない。そのような義務を果たしていない以上、登録者に料金を請求するのは筋違いだ。そもそも、契約が成立していないのだから。

 3人は、アダルトサイト運営会社を作り、田村が代表取締役に就任。

 それと並行して、兵藤は、アプリ開発ベンチャー企業の幹部である戸田(仮名)を通じて、同社のプログラマーの森(仮名)に、問題のアプリ作成を依頼した。

 森は、さらに下請け的な立場の小口(仮名)に、具体的なプログラミング等を発注した。

 

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 2011年の暮れも押し迫ろうとしていた12月末。

 男たちの様々な企みに満ちたアダルト動画サイトが動き出した。

 掲載されている動画は、インターネットのあちこちから無料で公開されているものを掻き集めて流用したものだという。

 野郎の気持ちは、野郎が一番わかってる。

 2012年正月、全国の男たちが次々と、アプリ架空請求の罠にかかっていった。

 

 被害者のひとりが警察に語った内容を記録した供述調書は、おおむね以下の通り。

 「無料だと思って、動画再生アプリをダウンロードした。代金請求とともに、自分の居場所や自宅の住所がアプリに表示され、得体の知れない気持ち悪さがあった。もはや逃げられないと思い、2日後に振り込んだ。犯人たちは絶対に許せないので、厳重に処罰してほしい」

 

 犯人グループは、アプリでの自動請求だけでなく、アプリで盗み取った電話番号に宛てて送信したSMS(ショートメール)でも、しつこく請求していった。

 被害者側からは、ときに「警察へ通報するぞ!」など、勇気ある反論もみられたが、そうした会員は、あっさりとSMSのリストから外したという。 リストから外せば、無かったことにできると思ったのか。取れそうな相手にターゲットを絞って徹底的にやりこめようと思ったのか。

 この頃は、振込先銀行口座の残高が、きっと面白いように増えていっただろう。

 しかし、そのようなウハウハ感は長く続かなかった。

 まもなく、この個人情報を勝手に吸い取る架空請求アプリの存在がネットニュース上で報じられるようになり、犯人グループの中に少なからぬ動揺が広がったのである。

 兵頭は森らに指示して、利用規約に「第15条」を追加させた。

「電話番号や端末情報など、個人情報を取得させていただく場合があります」という旨を明記したのだ。もっとも、彼らの気休めでしかなかった。

 不正アプリを警告するネットニュースの影響もあってか、次第に代金振り込みに応じる人が少なくなり、「収益」は悪化。

 さらに2月ごろ、サイトの広告主から指摘を受けて、規約内の料金表示を大きくしたという。

 それでも、他サイトへの広告出稿料など、多額の経費を負担できなくなり、3月中旬にはサイトを閉鎖せざるをえなくなったようだ。

 その一方、4月には自己破産の取り下げを申し立てている田村。

 自己破産での免責(借金チャラ)に頼らなくても、返済のめどが立ったということか……? 本件によって相当儲かったんだろうな、と想像できる。


 そして、6月に被告人らが逮捕され、事件には一区切りが付けられた。

 

証人尋問

 罪を認めている被告人が裁かれる場合には、弁護人が、被告人と身近な家族や勤め先の人など、身近な関係者に「情状証人」として法廷へ出て話をするよう、お願いすることがある。

 被告人が根っからの悪人ではないこと、今後の生活を監督するので再犯のおそれがないことなどを立証し、少しでも刑が軽くなるよう働きかけるのだ。

 
 「うちには二人の子供がいるんですが、休みの日には遊びに連れて行ってくれる優しい夫です

 まずは田村の情状証人として、はるばる関西地方から出廷した妻が、夫の人柄について証言した。

 「子どもたちは学校で、『お父さんが逮捕されただろ』と友達に指摘されても、授業を休まずに通い続けました」

 涙ながらに語る妻の話を横で聞きながら、被告人田村も目頭を押さえていた。

 「上京すると聞いたときは、『ネット関係の仕事』と聞いていたので、おかしいなとは思ってたんです。今までパン職人などをしてきた主人にとっては畑違いですので、少し心配でした」

 こうした妻の感想は、もっともなところだろう。

 

 畑違いの分野に手を出すチャレンジも、取り巻く状況によっては必要かもしれないが、今まで続けてきた事業との関連性が全くない分野だと、知らないことが多すぎて、変なことに巻き込まれるリスクも高まってしまう。

 被告人田村の場合は、膨らんだ負債を「早くなんとかしたい」とする焦りが災いしたのかもしれない。

 田村に限らず、お金の問題を抱えた人は、ともすれば重要な判断を狂わされることが多い。


 次に、長崎から出廷した兵藤の父親が情状証人として証言。地元で公務員をしているという。

 「男の子なので、たまにしか連絡しませんでしたが、これからはしっかり電話で話をして、状況を把握するようにします」と、証言する口調の中にも実直さが窺えた。

 また、「素直で友人を大切にするのが長所で、仕事にも熱心に取り組んでいるうちに、罪とは分からずに道を踏み外してしまったのではないか」と、息子をかばう側面も見られた。

 その息子は、2人の看守に挟まれながら、ずっと下を向いたまま動かない。

 まるで動揺している様子を、法廷全ての人間に悟られまいとするかのように。

 

 3人目は兵藤の知人である行政書士。サラリーマン時代の兵藤から起業相談を受け、資金調達などの起業サポートをしてきた人物である。

 兵藤の会社の事業内容には、それほど深く関与していなかったようだが、インターネット上でアダルトサイトを運営しているとは知っており、「グレーといいますか、アンダーグラウンドな内容とは思いました」と語っている。

 また「18歳のときに長崎から上京してきて、“成り上がりたい”との思いが強かったのではないか」と、兵藤に対する独自の印象も語っていた。同じく長崎出身の首都圏在住者として、少々耳が痛かったが、成り上がろうとする野心を持つこと自体は悪ではない。問題は、野心を実現するための手段をどのように選択するかだ。

 これからは、NPO活動を紹介するなどの方向で、兵藤へのサポートを考えているという行政書士。

 「お金ではない違う目標に向けて、地道にコツコツ励んでほしい」と、その率直な思いを法廷で吐露していた。

 

田村に対する被告人質問

弁護人からの質問


――― 利用規約についてですが、全員がチェックすると思っていましたか?

 田村 「はい、私でも見ることができましたので、みんな見ると思ってました」

――― サイトの登録料、9万9800円という金額について、高いと思いますか。

 田村 「いえ、動画を120日間観られる権利ですし、他のアダルトサイトと比べても、特に高額ではないと思います」

――― 9万9800円を振り込んだユーザーの中に、未成年の方がいましたね。

 田村 「はい」

――― 何人ぐらいいましたか?

 田村 「5人ぐらいだったと思います」

――― その5人の未成年者に対しては、どうしましたか。

 田村 「『これから気を付けるように』と、メールを送って、全額返金しました」

――― あなたは6月に逮捕される前、会社の携帯電話を10台ぐらい廃棄していますが、それはなぜですか?

 田村 「2月ぐらいから使ってなかったですし、料金がかさむので捨てることにした。

――― 証拠隠しのつもりでしたか?

 田村 「そういうわけではありません。顧客データなら、パソコンの中にも入ってますし」

この点については、検察官からすかさず追及された。


検察官からの反対質問

――― 携帯電話を壊したところで、基本料金は引き続いてかかるのでは?

 田村 「そうですね」

――― だったら、捨てなくてもよかったんじゃないですか。

 田村 「そうですけど……」

――― 今回の件に会社の代表として関わることで、簡単に儲けられると思ったんですか。

 田村 「いえ、そう簡単にはいかないと思ってました。仕組みがよくわかってなかったですし、それに、初期投資はそれなりにかけてるので、簡単という感覚は最初から無かったです」

――― 今、スマートフォンの利用者がどんどん増えてるんですよ。あなたたちみたいなことをする人間が増えると、騙される人たちも増えてしまうと考えませんでしたか。

 田村 「そこまでは考えてなかったです」

 

兵藤に対する被告人質問

弁護人からの質問


――― あなたは、アプリの企画作成にあたって、田村さんから報酬を受け取っていましたか?

 兵藤 「いえ、受け取っていません」

――― 他の人からは?

 兵藤 「受け取っていません」

――― あなたの考えたアプリですごく儲かっているのに、なぜ、無報酬で引き受けていたのですか?

 兵藤 「お世話になっていた永沢さんのおかげで、田村さんと知り合って、田村さんとの付き合いによって、新たな人脈が増えましたし…… それでです」

――― 具体的な利益は得ていないということでいいですか。

 兵藤 「はい」

――― 被害者の方に対しては、どのように思っていますか。

 兵藤 「精神的・金銭的に大きな傷を負わせて、申し訳なく感じています。料金表示は少し小さかったのかもしれませんが…… でも詐欺には当たらないと思っていましたし」

――― 今後はどうしますか。

 兵藤 「海外の商品を輸入して販売する仕事をしたいです。英語を勉強したいと思って、本を差し入れしてもらいました」

 

検察官からの反対質問

 

、検察官から兵藤へは、「なぜ無報酬でここまでやったのか」について質問が飛んだ。確かにその点は気になる。

――― これだけ積極的に関与していながら、報酬は要らないと思ったのは、なぜですか。

 兵藤 「先ほども申しました通り、田村さんのおかげで人脈が広がりましたし」

――― あるいはある程度軌道に乗ったら、戸田のアプリ会社に任せて、いずれ手を引こうと思っていたのですか。

 兵藤 「そういうわけでもないです」

 自分の(違法な)アイディアによって、売上げが2100万あがっているのに、一銭も受け取っていない……のだろうか。

 一方で、この不正アプリの稼働により、億単位の負債を抱えていた田村が、いったんは自己破産の取下げを申し立てたぐらいの収益を得た。

 田村に対してよほどの恩を、兵藤が感じていたということなのか。

 


 ともかく、このような怪しげなアプリの脅威が、今後、手を変え品を変えで消費者に襲いかかる時代が、すでに到来しているといっていい。

 

検察官の求刑・弁護人の弁論 そして判決

 検察官は、「巧妙で悪質な職業的犯行。近年、スマートフォンは急速に普及しており、放置すれば被害拡大のおそれ。社会へ広く警告する一般予防の見地からも厳重に処罰すべきだ」として、両者に懲役2年6か月を求刑。

 その一方で弁護人は、不正アプリを作成・提供した罪については争わないが、有料動画サイトであることは規約を見ればわかることで、被告人らの騙した行為が明確でないとして、詐欺罪については成立を争った。

 被害者が語った内容を記録した調書の中には「やり方が汚い」とも書かれているが、規約を読まなかっただけで、単なる中傷であると指摘。

 「お金を振り込んだのに動画を観られない」というクレームについても、動画は間違いなく設置しており、観られないとすれば操作を誤っただけだと一蹴した。

 そして、過去に前例がないケースのため、裁判所におかれましては、どうか慎重なご判断を…… と締めくくった。

 もし、詐欺の成立が否定されれば、大幅に刑が軽くなることが予想されるが…… そううまくいくかどうか。


 次の週にさっそく言い渡された判決では、田村・兵藤の2人に、懲役2年6か月が言い渡され、ただし3年間の執行猶予が付された。

 

不正アプリをめぐる現状

  • スマートフォンを持ったばかりで、かつ好奇心旺盛な未成年者(女児も含む)の架空請求動画アプリ被害が増えている。
  • 動画ジャンルも、「アニメ」「アイドル」などに拡大しており、女性の被害も増えている。
  • 不正アプリも、悪質な方向で性能が上がっている(スマホの端末番号を表示する。登録の瞬間にシャッター音を鳴らして、まるで顔写真が撮影されたかのような誤解を与えて、プレッシャーを与える など)

 

不正アプリに負けないための対策

  1. 有料サービスであることを利用者がハッキリ認識していない限り、そもそも法律上、有料契約が成立していない。 架空請求に対する最も有効な対策は「無視」である。たとえ、「年齢確認済み・規約同意済み」などと画面上に表示されていても、それは業者側からの一方的な表現なので、毅然と対処する。
  2. アプリはせめて、Google Playなど、公式配布サイトからインストールすることを心がける(信頼できない場所からアプリをインストールしない設定にしておく)。
  3. 何らかの原因で、スマートフォンの中に不正アプリ(ウイルス)が入ったとき、自動的に警告・駆除してくれる「セキュリティーアプリ」を入れておく。Androidスマートフォン用で評判のいいものを導入する。未成年者にはフィルタリングの導入も有効。
  4. いっそ、スマホをiPhoneに変えてみる(※App Storeはアップル社が直轄しており、おかしなアプリは排除されるため、セキュリティ面は非常に高い。その代わり、アプリの自由度・多様性は比較的低い)。
  5. いや、スマホでアダルト動画は観ない、そのような類いのアプリも一切ダウンロードしないと心に決める。

……といった策が考えられる。


 

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長嶺 超輝

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「ナガミネ マサキ」 と読みます。たまに、「カンダ マサキ」と間違われます。 [詳細]

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