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受験学歴エリートの仕事こそ、真っ先に人工知能に取って代わられる

time 2016/09/03

受験学歴エリートの仕事こそ、真っ先に人工知能に取って代わられる

 子どもの頃、親や教師から「頭がいい」と言われるのは、ほとんどの場合、ペーパーテストの点がいい子どもでした。

 しかし、社会に出ればわかります。

 一問一答、国社数理英のペーパーテストで測定できる「頭のよさ」なんか、たくさんの「種目」がある頭のよさのうち、1ジャンルでしかないと。

 

 誰も想像が及ばないアイデアで、他人の役に立つ、あるいは他人を楽しませるものを作ってしまう「頭の良さ」を持つ人がいます。

 初対面の人と、たった数十秒で仲良くなれて、大勢に慕われる賢さを持っている人がいます。

 他人が欲していることに、先回りして気づいて、世話をしてあげられる「頭の良さ」を持つ人がいます。

 運動神経だって、小脳の良さであるはずです。

 

 ペーパーテストで測定できる「頭の良さ」は、知識の量論理的思考、あとはちょっとした時間配分の要領です。

 ある程度の知識を憶えていれば、受験の数学と理科、国語と英語だったら、初めて見る問題でも論理の力(推論)で解けてしまう場合が多いです。 問題の内容によっては、地理や歴史も論理でいけちゃうでしょう。

 

 「物知り」な人は、長い間、尊敬されてきました。

 人々に有り難い知恵を授けてくれる人だからです。

 人類の歴史の中で、長い間「知識は力」でした。

 まだ人類が狩猟中心で生活していた時代、腕力や脚力を持たない男なら、せめて「あの辺に獲物が多い」とか「こういう新しい捕まえ方がある」といった知識を持っていなければ、獲物の分け前を与えてもらえなかったかもしれません。

 狩猟だと食いぶちを得るのが不安定で、冬なんかはひもじい思いをしたんじゃないでしょうか。

 そんなとき、「土を耕して食べられる植物を育てる方法なら、安定して食べ物をゲットできるぞ」「食べ物を保存できる方法があるぞ」と提案できた者は、きっと尊敬されたでしょう。

 村の長老が尊敬されたのは、「みんなが知らないことを、何でも知っているから」というのが、かなりの要素を占めていたでしょう。

 知識の有無の差が、人間関係の差につながることもありました。

 みんなが知りたがっていることを、いち早く知って、みんなに知らせることが、立場の差になりうるのです。

 本が希少な貴重品だった時代には、読書できる人なんて、いわば一握りの特権階級です。

 物知りは特に重宝された人物なのでしょう。

 

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 だけど今、「物知り」の価値は大暴落しています

 

 逆に「話が長い」「つまらない」と、敬遠されるほどです。

 人を喜ばせるための知識を披露するのでなく、言いたい知識を垂れ流して自分が気持ちよくなりたいだけなんですから、仕方ありません。

 現代は言うまでもなく、コンピュータとインターネットが、「物知り」の代替品となっています。 その人が求めているキーワードの知識を教えてくれるのですから、人間の物知りほどウザくありません。

 しかも、コンピュータのネットワークは事実上、無尽蔵に知識を蓄えておくことができます。人間の脳が性能でかなうわけがないのです。 「物知り不遇」の時代です。

 

 さらに、論理的思考なんて、コンピュータは得意中の得意です。 処理スピードも、数字を扱わせたら、人間とは比較になりません。

 レジ打ちの仕事などは、10~20年後にはほとんど無くなってしまうかもしれないと言われます。一部のスーパーでは、セルフレジの端末も多くなってきました。

 しかし、エリートもうかうかしていられません。

 お金を数字として扱う税理士や簿記、会計士の仕事も、一部奪われそうになっています。

 数字でなく、言葉の処理はコンピュータにとって、まだまだ難しそうですが、言葉の意味を正確に読みとって的確に処理できるようになるのも時間の問題でしょう。

 そうなると、書類作成などのデスクワークが得意な弁護士や司法書士、あるいは通訳や翻訳などの仕事も、人工知能に侵食されるのではないでしょうか。

 公務員も業種によっては、人工知能のほうが安上がりで、経費削減でリストラされてしまう日が来てしまうかも?

 目の前で起きた出来事や聞いた話を、そのまま書きとって原稿にするようなライターも、相当ヤバいでしょうね。気をつけます!

 
 もちろん、受験勉強で鍛えられる知識や論理が不要になるわけではありません。

 その知識や論理は、既に答えが存在する問題を解くためだけに使うべきではないはずです。

 「物質的に豊かになる」「食べるのに困らなくなる」という明確な答えに向かって、昭和の時代は日本中がそれぞれの人生を賭けてその問題を解き続けてきたはずです。

 しかし、平成も28年目に入り、「いったい、何が豊かなのか」「何が幸せで、何が喜びなのか」 すでにハッキリとした正解が設定されていない時代に突入しています。

 そんな時代には、知識や論理は、答えが用意された問題でなく、自分自身で「未知の問題」を発見し、その解決に立ち上がって闘うための武器として、集中的に有効に使わなければなりません。

 もちろん、マトモに仕事をやっていたら、正解なんか滅多に出ません。

 本来は、不正解ばかりでも諦めず、果敢に課題を見つけて解き続けられる人こそを高く評価するようなペーパーテストを、子どもたちに課さなければならないと考えています。

 失敗を怖れない。試行錯誤をいとわない。目的を達成するために有効な道があれば、レールからあえて外れられる。

 そんな「勇気の総量」を測定できるテストができて、人材評価の基軸になれば、世の中は大きく変わるでしょう。

 ただし、良く変わるとも限らんが。

 でも、そんなテストは、問題を作成する側にも独特のセンスが必要でしょうし、そもそも客観的に点数を付けづらいかもしれません。

 そうなると、「頭いいね」と周囲に言われ続けた学歴(≒思春期のペーパーテスト得点能力)のプライドを引きずったまま、社会に出て、「デキルはずの自分が、たいして何もできない」というギャップに苦しむ人を、ますます多く生み出していくのかもしれません。

 私自身、そのギャップに少なからず苦しんだうちのひとりではありますので、「せいぜい、みんな苦しめばいいじゃん、フヒヒヒヒ」とは思いますけど、

 まぁ、これからは人間だけでなく人工知能も仕事のライバルになりうるんで、大変ではありますよ。

 

 人工知能では代替できない人間の役割……。

 人類に残された最後のフロンティアは、やっぱり「コミュニケーション能力」なんだろうか。

 だとしたら、しんどいわ(笑)

 

 

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いらっしゃいませ

長嶺 超輝

長嶺 超輝

「ナガミネ マサキ」 と読みます。たまに、「カンダ マサキ」と間違われます。 [詳細]

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