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~ Web宇宙に漂う微小元素 ~

Webライターよ! Webに書いてあることをWebに書き写してどうすんじゃぃ?

time 2016/09/01

Webライターよ! Webに書いてあることをWebに書き写してどうすんじゃぃ?

 「リライト」という言葉があります。

 英語で書いちゃうと、re-writeでしょうか。

 書籍や雑誌など、紙媒体の世界で「リライト」といえば、修正稿のことです。自分で書いた原稿を自分で整えることを指します。

 推敲が足りない部分を書き直したり、追加で調べて書き加えたり、失礼だったり冗長だったりする部分を削ったりするわけですね。

 

 その一方、Webの世界で「リライト」とは、他人の文章をイジって、自分の書いた文章として載せることを意味するらしいと知り、衝撃を受けました。

 ある意味でパクリなのかもしれませんが、パクリにならない程度に文章の体裁を変化させて、パクリがバレないようにするのです。

 誰にバレないようにするかといえば、Googleの人工知能に対して です。

 

 Webの世界では「SEO」という技術があります。サーチエンジンなんとか の略です。

 要するに、あるキーワードで誰かが検索したときに、自分のホームページなどを真っ先に表示させることを目指して、いろんな対策を講じることです。

 検索順位が上になれば、アクセスもしやすいし、商品やサービスの売上げも上がるだろうという目論見です。

 今から十数年前、私はライターデビュー前に、この「SEO対策のためのライティング」というものを5回ぐらいやったことがあります。ある企業のHPの検索順位を上げる目的だけで書く文章です。

 とにかく、特定のキーワードを極限まで入れて原稿を書いてくれ、という依頼です。
 「入れすぎると、クドくなりすぎますし、論理も繋がらなくなります」と言い返してみたのですが、気にせずに書けということでした。

 1万字書いて、原稿料は1,000円でした。そこから源泉が引かれるので900円ですね。 デビュー後の原稿料の100分の1以下ですよ(原稿料のことについても、いろいろと思うことがあるので、今後書こうと思います)

 何の実績も無かった当時でも、さすがに「安い」と思いましたが、最初は文章の修行のつもりでやっていました。

 ただ、そのうち、「これは修行にならん」と気づき、「今まで通り、100円ショップやホームセンターでバイトしていたほうがマシだ」と確信して辞めました。

 その確信は、今思えば正しかったと思います。

 今までの人生で、私の確信が正しかったことなど5%に満たないので、貴重な確信でした。

 
 SEOと呼ばれるモノのせいで、一時期、検索頻度の多いビッグワードで、何の中身もない無意味なページばかりが上位表示されることになりました。

 特にYahoo!がそのジャンクなSEO被害に遭い、ついに検索エンジン事業からの撤退を余儀なくされています(それだけが撤退の理由ではないでしょうが)。

 それでも、Googleはしつこく検索にこだわっています。

 当時に比べれば、Googleの中にいるコンピュータは、ここ数年で、恐ろしいほどに賢くなっています。

 パンダアップデートやカマキリアップデート、ペンギンアップデートやジンベイザメアップデートなどを繰り返しながら(半分うそ)、ただ単にキーワードを詰め込んだページや、やたらと被リンクを張っただけのページ、他のページをパクった文章などを自動的に見抜いて、ことごとく検索下位に落としています。

 小手先のSEO対策は、まったく通用しなくなりました。

 つまり、Web業界のリライトは、他のページをヒントにしているにもかかわらず、言い回しや言葉づかい、順番などを変化させることにより、重複ページでないように見せかけ、検索エンジンの人工知能をあざむくためのリライトなのです。

 いや、他人の文章をヒントにすること自体は構わないんですよ。 著作物は文章自体に帰属するのであって、その基を構成している事実やアイデアに著作権はありません。

 他人の体験談を自分の体験談のように見せかけるのは、さすがにモラルに反しますが、何らかのノウハウとか、歴史的事実や学説などをいただくのは、まぁ問題ありません(私だったら引用の形式にしますけど)。

 ですから、文章を書き換えて同じ話を載せること自体は、いちおう合法です。

 しかし、

 既にWebに載っている話をWebに載せて、いったい何になるのでしょうか?

 ナインティナインの矢部さんによる、有名なツッコミがありますよね。

 

 「岡村さぁ~ん、テレビで聞いたことをテレビで発表しないでください」と。

 

 多くのWebライターがやっているリライトは、それと同じ事だと、私は確信しております!(その確信が当たっている確率も5%以下ですが)。

 Webに載っていることを、またWebに載せてどうするんですか? マジで。

 

 検索を使う利用者にとって有益な情報が得られるよう、Googleは今後、中途半端なリライトを見抜くことができる進化を遂げると思います。

 メガネザルアップデートか、ステゴサウルスアップデートか知りませんが。

 
 Webに上がっている情報をリライトするより、図書館に行って過去の文献をリライトしてWebにアップしたほうが、よほど世の中にとって有益だと思います。

 どうしてもGoogleをあざむきたいのなら、Webに上がっている情報しか把握してない相手なわけですから、紙ベースの文章を基にして「リライト」(Webの世界で言うところの)したほうが、よっぽど効率的にあざむけると思います。

 なので、私は今日も、図書館に通っています。

 

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長嶺 超輝

長嶺 超輝

「ナガミネ マサキ」 と読みます。たまに、「カンダ マサキ」と間違われます。 [詳細]

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